ニーモタニオズモ2Pの使用感レビューです。
本格的な登山用テント、ニーモタニオズモ NM-TNOS-2Pですが、徒歩キャンプで快適に使えるのでしょうか。
ニーモタニオズモ2Pの特徴、設営方法や気になる点のほか、キャンプを始めて3年間、これまで使ってきた軽量テントも紹介しています。


徒歩キャンプでこれまで使ってきたテント
私のキャンプスタイルはメインがバイクキャンプで、たまに徒歩キャンプなのですが、これまでいろんなテントを試してきました。
ネイチャーハイク クラウドアップ2
キャンプを始めて最初に買ったTC素材のパップテントは流石に重く、徒歩キャンプ用にリーズナブルで軽いテントを求めていました。
まだ本格的なキャンプ沼に浸かる前だったので、当時人気のMSRのエリクサーやモンベルのステラリッジなんて、とてもとても買うつもりもなく。
ネイチャーハイクのクラウドアップ2は、当時、中華製ながら性能もよく、人気でした。今も定番アイテム化しつつあると思います。二人用サイズで1.8kg以下という軽さ。しかも登山UL系テントの価格の3分の1程度。
徒歩キャンプの聖地(化しつつあるらしい)、氷川キャンプ場で何度か使用したりと気に入ってました。

しかし、モンベルのステラリッジテントと同じく、クラウドアップ2は、山岳テントとして風の影響が考えられているせいか、側面ではなく縦面に入り口があります。
キャンパー的に、これが使い勝手が良くなかった。荷物の収納取り出しが手間なのと、前室も小さく、縦に潜り込むように入らないといけないのが苦痛でした。
あくまで、ネイチャーハイク クラウドアップ2はキャンプには微妙、ということで、もちろん登山向けテントとしては、今も人気のテントの一つです。
3F UL GEAR Lanshan 1 ランシャンテント
キャンプ用にもっと軽いものがほしい!と、次に目をつけたテントが3F UL GEAR Lanshan 1ランシャンテント。
これも数年前は人気のテントで、なかなか買えなかったように思います。
ワンポールで760gと軽く、ポールは登山用のトレッキングポールが使える。
川井キャンプ場やLCCで行った海岸沿い、登山などで使用しました。
3F UL GEAR Lanshan 1ランシャンテントは、超軽量ながら、結露に強いダブルウォール。
2年前、パンダライトやソロティピーなど、ワンポールのテントが流行っていたこともあり、お気に入りのテントの一つでした。

しかし、何度かワンポール型テントを使っていくうちに、どうやら私は閉所恐怖症であることがわかりまして、
天井先端が狭くなるようなワンポールテント、しかも一人用は、たとえ寝るだけだとしても苦しく、また、川井キャンプ場で設営した時、顔面に結露したインナーテントが顔に被さって目が覚め、「冷たい!」「もうええわ」ということで、使うのをやめました。


3F UL GEAR Lanshan 1ランシャンテントは、軽量テントは一般的に高額とされる中、まだまだ安いので、私のように閉所恐怖症でない方にはおすすめです。
(3F UL GEAR Lanshan 1を使いこなすshoさんより)
DURSTON X-Mid 2P Solid
しばらく徒歩キャンプはやらず、バイクキャンプばかりやっていたのですが、徒歩キャンパーのYouTubeをたくさん見るうちに、もっと徒歩キャンプををやってみたくなりまして。
最初、モンベルのステラリッジの二人用を買おうと思っていたのですが、ドーム型テントは、テント用ポールをわざわざ持ち運ぶのがUL的にナンセンスと思い、DURSTON X-Mid 2P Solidを見つけました。
とうとう個人輸入に手を出してしまいました!

DURSTON X-Mid 2P Solidの重量は、フライとインナーで1,035gと軽量です。トレッキングポール2本あれば設営できます。ペグダウンする数も少なく、形も特殊で広々としています。
しかし、二人用サイズを選んでいるのでやむなしですが、210 x 254 cmとサイズが大きく、前後にスペースもあります。
西丹沢のキャンプ場では、深夜、アナグマがゴミを漁りにテントの中に潜り込んできて困りました。

また、DURSTON X-Mid 2P Solidは自立式ではないながら、天井はそれなりに高くなるのですが、ガイロープをちゃんと張らないと、左右や天井中央部分が「
だるんだるん」になってきて、垂れてくるのも地味なストレスでした。
ニーモタニオズモ2Pに行き着いた
と、ここまで3年間、徒歩用テントを色々試してきたのですが、私が徒歩キャンプ用のテントに求めるものは
・軽さ。1.5kg以下。できれば1kg以下
・一人用ではなくゆったり二人用の広さ
・天井が狭くなるワンポール型ではなくドーム型
・前室がしっかり使えるよう側面が開く
・結露が嫌なのでシングルウォールではなくダブルウォール
といった内容でした。
色々ネットで調べたのですが、そんな要望を叶えてくれるテントは、まず安くない!
しかしながら、全く安くはないけど、全ての要望を満たしてくれそうなのがニーモタニオズモ2Pでした。
ニーモタニオズモ2Pのスペック
ニーモタニオズモ2Pのスペックは
重量1.24kg
と、ダブルウォールながら軽いです。
そして、
高さ104cm
幅220cm×130cm
前室80cm
と、天井も広く、横幅もあります。
キャンプギアを適当に放り込んでも余裕があります。ファスナーを開けると、側面が大きく広がり、開放感もあります。
ニーモタニオズモ2Pの設営方法
ニーモタニオズモ2Pの設営方法は簡単です。と言っても、最近世の中に販売されているテントは、どれも設営に困ることはないだろうと個人的には思います。
ニーモタニオズモ2Pはちょっとした工夫がされています。
グランドシートは農ポリで自作
グランドシートは、少しでも軽量にしたいと思い、これまでタイベックシートにハトメを打ち込んで自作していました。

ですが、タイベック素材がカサカサでかさばるのと、色が白いのがキャンプの雰囲気に合わず、どうも気に入らないので、今回は農ポリシートで作ってみました。
冬場はまだ試していないので保温性能はどうなのかまだわかりませんが、まあまあ丈夫です。
グランドシートのサイズについて、テントのフットプリントよりも小さくするのが、雨が降った時に水が溜まらないのでいいそうですが、私の場合、テントの底が汚れるのが嫌なので、フットプリントのサイズは、10cmほど大きめに作っています。
ニーモタニオズモ2Pのポール
ニーモタニオズモ2PのポールはDAC製で軽く、適当に繋げた後、交差させれば準備完了です。
ペグは福善の打刀16cmと劔10cmを試す
ニーモタニオズモ2Pに合うペグとして、色々試している最中ですが、
UL登山YouYuberの護堂-岳-さんのレビューで
福善の打刀16cmと劔10cm
を試しています。重量はそれぞれ16gと9gでとても軽いです。
これまで使っていた軽量チタンペグと違って、曲がらず、返しもしっかりついているところがいいです。
しかし、これがベストなペグだとはまだ思ってません。
アライテントのスティックペグやユニフレームのジュラペグも同時使用
これまで使ってきたアライテントのスティックペグや
比較的丈夫さが必要なのと頻繁に開け閉めをするために、ユニフレームのジュラペグ200も試しています。

設営がとても楽なアクシアルコーナーアンカーと留め具
ニーモタニオズモ2Pの特徴として、登山で疲れた時に、煩わしい設営の手間がかからないようによく考えられていると思います。もちろんキャンプでもその恩恵に預かれます。
アクシアルコーナーアンカーというニーモ独自の金具は、ポールの先端の球みたいな部分を少し強く押し込み、フライを金具にはめてロックするだけで簡単設営できてしまいます。
よく考えられた構造だと思います。
また、留め具の向きを交差させるだけで、フライを連結できるのでとても楽です。
インナーテントは吊り下げ式
ニーモタニオズモ2Pは最近のテントでは一般的な吊り下げ式です。
インナーを四隅に固定して、
ポールを連結させたあと、数箇所パチパチと軽くはめ込んでいけば、インナーは設営完了です。
その他良かったポイント
前室を広げた時のプラスチックの留め具が地味にいい
ニーモタニオズモ2Pは、前室を広げた時のプラスチックの留め具がよくできていて、きっちりロックがかかります。
DURSTON X-Mid 2P Solidの場合、ゴム紐しかなく、残念でした。
ニーモタニオズモ2Pの残念なところ。少々デリケート!?
ニーモタニオズモ2Pをしばらく使ってみて、軽い、天井が高い、空間が広い、設営しやすいなど狙い通りの優秀なテントなのですが、いくら完璧なテントを求めても、どこかしら微妙なところはありました。
ニーモタニオズモ2Pは透ける?
ちゃんと外から見ていないのですが、ニーモタニオズモ2Pはダブルウォールで色は黄緑色とはいえ、フライの素材が薄いので、透けると思います。
透けるとはいえ、着替えをしているようなシルエットは出ないと思います。そのあたりは軽さとのトレードオフだと思います。
ニーモタニオズモ2Pはジッパーが噛む
これも軽さ薄さとのトレードオフかもしれませんが、想定外。ニーモタニオズモ2Pは前室とインナーのジッパーがよく噛んでしまいます。
強度20%アップのニーモ独自素材、オズモ™︎ファブリックですが、生地が丈夫とはいえジッパー部分は弱いかもしれません。丁寧に取り扱う必要があります。
ニーモタニオズモ2Pを使った時のキャンプ
ニーモタニオズモ2Pを徒歩キャンプで実際に使ってみた時の様子はこちらです。

まとめ。ニーモタニオズモ2Pは徒歩キャンプに使える。が?
ニーモの公式ページには
日本の山岳シーンのために生まれた次世代フラッグシップモデル
とありますが、ニーモタニオズモ2Pは高価なだけあってキャンプでも問題なく使えます。
ただ、気をつけないといけないのは、焚き火の爆ぜ。
おそらくオズモファブリックのフライは火の粉で穴が開き、穴が広がっていくのでは?と思います。
焚き火をする場合は、テントから2m以上離すなど、場所に気を遣う必要があると思いました。無骨思考のキャンパーには少々合わないかもしれません。
しかし、ダブルウォールで結露の心配がなく、1.24kgの軽さと室内の快適さは、徒歩キャンパーにとって大変魅力的です。しばらく使っていこうと思います。
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